◆十八番(藤本なおや議員) 私は、杉並自民議員倶楽部の一員として一般質問をいたします。
 質問に入る前に一言申し上げます。
 本日は、ことしの二月十六日に開かれました第一回区議会定例会の初日に引き続いて、杉並区議会として二回目の、また、一般質問としては初めての土曜議会であります。
 この土曜議会を開催するに当たり、昨年の改選後、三期目の議会改革検討部会が新たに立ち上がり、我が会派の河野前議長の諮問を受け、私自身、部会長として約一年間検討を重ねてまいりました。この新しい試みに快く賛同いただきました区長初め理事者の皆様、また、本日傍聴にお越しいただきました区民の皆様方に、改めて御礼を申し上げます。
 私ども杉並自民議員倶楽部の会派八名、今後とも新たな議会、開かれた議会を目指して、さらなる改革に取り組んでいく所存であります。
 当区におかれましても、山田区長の強いリーダーシップのもと、区政改革に取り組んでおられますが、議会も自らが今までの古い慣習やしがらみにとらわれることなく、襟を正してこそ、初めて車の両輪としての機能を果たすことができる、こういった議会改革にかける私どもの強い意思と姿勢をご理解いただき、これからの議会対応並びにこれから行います私の一般質問に明快な答弁を求め、質問に移ってまいりたいと思います。
 初めに、区内交通網の整備とコミュニティバスのあり方について質問をいたします。
 現在、杉並区では、区内の南北を結ぶコミュニティバスとしてすぎ丸が、阿佐ケ谷駅と浜田山駅を結ぶけやき路線、浜田山駅南と下高井戸駅を結ぶさくら路線の二路線を運行しており、区民から多くの好評を受けております。
 このような中、昨年改定された実施計画をもとに、ことしの十一月、すぎ丸の新路線として、西荻─久我山間を走る第三路線を開設するとともに、さらには新たなコミュニティバスの運行を視野に入れた調査研究費も含めて、今年度一億七千六百万円余の予算を計上しております。このことは、過去、私も議会において、また我が会派としても、区内交通網の整備促進を図るようたびたび要望いたしておりましたが、今年度の予算で一歩前進したものと、高く評価をするものであります。
 少子高齢社会を迎え、乗りおりが容易で、気軽に利用できる路線バスは、区民の身近な足として、また、公共交通の積極的な活用は、CO2を削減し、地球温暖化防止や環境負荷の軽減などにも有効な手段であるとして、その役割がますます重要になってきております。
 そこで、杉並区が公共交通網を整備することの意義についてどのように考えているのか、改めて見解をお示しください。
 また、改定された実施計画では、平成二十一年度から、南北交通の整備に関して今後のあり方などについて調査研究を行うこととなっておりましたが、一年前倒しして今年度から始めた理由について伺います。
 さらに、地域内の生活交通としてコミュニティバスなどの運行を継続させていくためには、地域自らが主体となって取り組む意欲を持つことが必要であり、地域住民とともに支えていくことが必要不可欠であります。
 そこで、今後の進め方においては、新しい公共交通網を求める区民の声を的確に反映させるためにも、区民とともにつくり上げる新しい協議体制を構築し、調査研究を進めるべきと考えますが、今後の検討方法についても、区の所見をお聞きいたします。
 次に、現在、杉並区内には、南北バスすぎ丸の既存二路線のほかに、公営、民間のバス事業者を含めて六十一路線が運行されておりますが、新たなコミュニティバスのあり方を検討する上においては、既存のバス路線との競合、与える影響などについても留意し、総合的に検討する必要があります。
 そこで、区内において既存のバス路線などが運行されていないなど、いわゆる交通不便地域や交通空白地域と言われている地区を、現状、区はどこであると認識をしておるのか伺います。
 次に、バス事業の今後の動向について伺います。
 昨年二月に東京都交通局が公表した都営バスの経営計画書によると、利用客は、昭和四十七年度に一日平均百三十万人に達していたのをピークに、モータリゼーションや鉄道路線網の拡大などに伴って、ほぼ毎年一貫して減少傾向にあり、平成十七年度では利用客は五十七万人にまで落ち込み、全路線のうち約六割が赤字路線で、二十六億円という大幅な赤字経営という厳しい状況にあると報告がなされております。
 一方、当区のすぎ丸既存二路線では、現在、阿佐ケ谷─浜田山間のけやき路線が黒字経営となっておるようでありますが、今後、既存二路線並びに十一月開設予定の新路線のそれぞれの収益並びに利用客の推移をどのようにとらえているのか、それぞれの路線ごとにお示しください。
 また、現下の石油高騰のあおりを受けて、天然ガスの価格も上昇しております。すぎ丸はこの天然ガスを燃料として運行している車両が三台と、ディーゼル車を四台保有をして運行されておりますが、このような燃料高騰の影響によってランニングコストがかさみ、現行百円均一の運賃が改定をされ、さらには路線本数の減少などを懸念する声なども上がってきております。
 これまですぎ丸がコミュニティバスとして地域内の交通不便者の足として利便性向上などに大きく貢献してきたこともかんがみ、今後とも最大限、現状の運行体制を維持するよう求めるものでありますが、区の見解とあわせて、コミュニティバスの運行を求める区民のニーズと採算性という観点から、この関係性をどのように考えているのか。新しい路線計画を立てるに当たっての指針として、採算性というものをどの程度重視をされておるのか、この件も伺っておきます。
 次に、平成十八年の道路運送法の改正に伴って、地域住民の移動手段を確保することを目的として、コミュニティタクシーの運行も容易になりました。コミュニティタクシーとは、バスより小さいワンボックスカーを使用し、路線バスなどが通行しにくい身近な地域内に停留所を設け、時刻表により巡回する交通手段であって、狭い道路の多い地域でも運行可能で、バスよりも低コストで運行できる、こういった利点があると言われております。
 このようなことから、コミュニティバスにかわってコミュニティタクシーの導入を検討する自治体が全国的にも増えてきております。都内においては、小平市がことしの三月より六カ月間、コミュニティタクシーの実証実験を行っており、平成二十一年度からの本格的運行を目指しております。
 そこで、当区においても、昨年都市環境委員会において趣旨採択をされたJR高円寺駅からセシオン杉並間の運行を初めとして、交通不便な公共施設へのアクセス向上を図るため、施設間をめぐる巡回ルートなど、多くの区民から切望されている区内交通網のさらなる整備に、コミュニティバスという手段だけにこだわることなく、柔軟な発想で、新しい手法でもあるコミュニティタクシーの導入も含め、前向きな検討を求めるものでありますが、この項の最後に区の見解をお示しください。
 次に、商業地域内におけるマンション建設について伺います。
 近年、杉並区では、少子高齢化の進行や単身者世帯の増加、さらには社会経済状況の変化も相まって、より快適で個性的な居住環境や地域づくりなどが強く求められるようになり、それぞれの地域の実情や課題に合った新しいまちづくりのルールの制定が必要となってきております。
 このような中、当区では、平成十六年六月に、まちづくり基本方針に基づいて荻窪駅周辺地域を都市活性化拠点として位置づけ、上荻一丁目地区全域とこれに接する路線地域内を低層階商業業務誘導地区に指定をし、条例により、建築物の一階などに商業・業務、文化施設を誘導して、人の往来を活発化させ、活気に満ちた都市空間を形成することを目的として、建築物の用途の規制を行ってきました。
 この条例が施行されてからちょうど四年がたちますが、低層階商業業務誘導地区の現状について、条例制定の趣旨に沿ったまちづくりが進行しているのかどうか、進捗状況を伺うとともに、これまで区民などからどのような問い合わせがあったのか、現況をまず伺っておきます。
 さらに、この条例では、第八条において、違反した建築主などに二十万円以下の罰金を科すこととなっておりますが、この罰則が適用されたケースが今まであったのかも、あわせて伺います。
 次に、区民にとって主要な住居形態として定着をしておりますマンションでありますが、区内において、昭和四十六年から四十九年にかけてマンション建設の第一ピークがあり、この時期に建設されたマンションは築後三十年以上経過をし、今後十年間で大規模修繕や建て替えを迎えるマンションは一万三千戸に達することが予想されております。
 このように新築マンション建設と相まって、地域の住宅環境の変化をめぐって、マンション紛争などのトラブルが相次いで起こってきております。
 特に商業地域に建てられるマンションは、用途地域の関係から容積率や高さ制限が緩和されており、中高層のマンションが建てられるメリットがある一方で、マンションのみの建物は、にぎわいを提供してきた商店街の形成を阻み、連続した商店街の機能を損なうことが問題となっております。
 その一例として、現在、阿佐ケ谷駅南口の駅前に、野村不動産株式会社により、地上十三階建て、高さ約四十五メートルの、低層階に商業店舗を有しない大型分譲マンションの建設が進められておりますが、この建設計画に対し、阿佐ケ谷駅周辺の地元の商店街や町会から、阿佐ケ谷駅南口駅前ロータリーに面した商業地区の角地において、低層階に商業施設を設けないマンションは阿佐谷のまちを遮断し、発展を阻害するおそれがあるとして、事業主である野村不動産に対してたび重なる要望活動を行う一方、杉並区に対しても諸課題の解決に尽力するよう求めておりました。
 しかし、行政は、都市計画法や建築基準法などの法律に反していない限り建設に歯止めをかけることができないとして、野村不動産の建設計画に許可をおろし、まちの活性化を願う地域住民の声はかなえられずに、今も工事は進行しております。
 現在の阿佐ケ谷駅周辺のまちのにぎわいは、長年にわたってその地域に住み、商業活動を展開してきた住民の努力のたまものでもあります。そのまちの顔ともいうべき駅前ロータリーを、これまで以上に明るく活気のある場としたいという切実な地域住民の願いに対して、当区はどのようにとらえ、野村不動産とこれまで何回協議を行い、区はどのような主張を展開し、どのような話し合いが行われてきたのか。これまでの一連の詳細な内容について伺うとともに、今後、当該マンションに入居される住民がスムーズに地域に溶け込めるよう、何らかの配慮も必要かと考えますが、あわせて見解をお伺いいたします。
 また、この事例を教訓としながら、まちとしての連続したにぎわいを維持し、活気ある商業空間の形成を促すためにも、区内の駅前にある商業地域において、低層階商業業務誘導地区などの指定を拡大すべきと考えますが、見解をお示しください。
 次に、みどりの保全について伺います。
 山田区長が就任をされ十年目を迎え、これまでの緑化施策の取り組みについては、大いに成果が上がったものと思います。区の基本構想である「区民が創る『みどりの都市』杉並」を目指して、区では、みどりを守り増やしていくために、柏の宮公園や桃井原っぱ広場などの大規模公園の整備や、校庭の芝生化を初めとしたエコスクール化など、さまざまな取り組みを行ってきたことについては高く評価をするものであります。
 みどり豊かな環境は、杉並のまちが個性と魅力のある都市として発展していく基盤となるものであります。最近の都市型集中豪雨の発生数の増加などからも、地球環境の温暖化や都市のヒートアイランド現象の影響が身近なところで急速に拡大しており、都市の環境が年々厳しくなっている現在、みどりの果たす役割は大変重要になってきております。
 ところで、区内のみどりの実態を知るために五年に一回実施されておりますみどりの実態調査が行われておりますが、平成十九年度の結果が先ごろ公表されました。
 そこで、このみどりの実態調査の目的及び調査結果の概要について、改めて伺っておきます。
 次に、新たな樹木の植樹や屋上、壁面の緑化といった、みどりを増やすための施策も重要であると思います。しかしながら、この十年間で屋敷林や農地などの私有地のみどりが失われてきていることを、私は日々まちの中で目にしてきております。また、企業所有の土地もマンションなどが建設をされ、これまであったみどりが失われつつあります。
 このような中、個人が所有する屋敷林や年数を経て大きくなった樹木といった、昔からの杉並の原風景を支えてきたみどりがこの十年間でどう変わってきたのか、また、そういったみどりを保全するために区はどのような努力をしてきたかについて、お尋ねをいたします。
 また、みどりを守るために、一定規模の樹林地や樹木を保護樹林、保護樹木や貴重木に指定する制度がありますが、保護指定制度とはどういったもので、その制度の課題についてお示しください。
 とりわけ貴重木については、区長が就任後、平成十二年度から始まったもので、区内でも後世に残していきたい大切な樹木を保存していくための施策と記憶をしております。その指定を受けている樹木は、現在区内に四十五本あると聞いておりますが、その中の一本で、ケヤキのある土地が、最近、事業用地として売却されたと伺っております。この木は西荻北の地元ではトトロの樹として親しまれ、区内では珍しく美しい自然樹形を保っており、樹齢が二百年以上あると言われております。
 このケヤキの保存を求めて、先ごろ区長に対し、短期間で署名が、六月十日現在八千六百四十八名も集められ、要望書が提出をされました。地域の議員も超党派で応援しているところであります。
 そこで質問いたします。西荻北のランドマークともなっているこのケヤキを、区はどのようにその価値を評価しているのか、お示しください。
 また、このように多くの区民が保存を望んでいる木について、何とかして残す方法を探るべきであると思います。事業者も地域住民の意向を踏まえて、伐採をせずに事業を進める考えであると聞いておりますけれども、建物を建てる以上は、現在の美しい樹形を維持し、保存していくのは難しいと思います。そこで、区として、多くの区民の要望にこたえるために今後どのように対応していくのか、お尋ねをいたします。
 また、状況によっては区が購入することが必要になるかと思いますが、当区の意向を伺います。
 こういった後世に残していく必要のある樹木や屋敷林を保存していくことは、実際には相続税の問題などがあり、困難な状況にあります。貴重な樹木の保存について、現時点で区はどのように考えているのか最後にお尋ねをし、私の一般質問を終わります。

○議長(青木さちえ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕

◎区長(山田宏) 藤本議員の一般質問にご答弁申し上げます。
 私からは、最後の、貴重な樹木の保全についての考え方についてお答えいたします。
 今回のご質問は、西荻窪のケヤキの木にかかわるものから、貴重な樹木についてのご質問をいただきました。この貴重木という制度は、平成十二年から十四年の間に区内全域を調査いたしまして、貴重な残すべき木として五十本指定をいたしました。十四年で五十本指定したんですけれども、その後、相続、その他いろいろなことがありまして、現在は四十五本という状況になっております。
 今後この貴重木をどう保全していくかということは、今回の西荻窪のケヤキの木が大きな地域の問題になっておりまして、区として、この木もそうですけれども、これからもどうしていくのかということが大きな課題になっていると認識しております。
 みどりの調査でも明らかになりましたが、みどりの緑被率は増えましたが、一方で、屋敷林は着実に、残念ながら減少傾向にございます。これは民有地ですので、その維持、またもっと言えば、相続時におけるコスト等が非常にかかって、個人がそれを維持し続けるということは非常に厳しいことだというふうに認識しておりまして、そういった中で、残念ながら貴重な屋敷林や貴重木が失われつつあるという現状でございます。
 こういったことを区としても非常に深く、このままいくと、一度失われたこういったものはもとへ戻すのは、よほどのことがない限り困難と、こう考えておりまして、平成十六年に、近隣の自治体とみどりのフォーラムというのを立ち上げまして、国に、相続税や、また固定資産税等に対しての対応を、減免というものを強く求めてまいりましたけれども、国のほうでは研究会を設定しましたけれども、その後なかなか必要な改正が進んでいないという状況で今日に至っております。早急に国のほうの税制度の改正というものを進めていく必要があると考えておりますが、区としては、今後、そういった状況にあっても、刻々と今この時点でも失われていく可能性がございますので、今お話しいただきましたこと、ご提案も、そしてまた今回の西荻窪の対応も含めて、今後、こういった屋敷林や保存すべき樹木というものをどう区が補助し、支援し、そしてまた、時にはこの樹木を生かした建築計画を支えるかというようなことなども含めて、専門家の意見も聞いて検討して、至急実施する対策を立てていきたいと考えております。
 残余のご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。

○議長(青木さちえ議員) 土木担当部長。
     〔土木担当部長(小町 登)登壇〕

◎土木担当部長(小町登) 私からは、コミュニティバスのあり方に関するご質問と、みどりの保全に関するご質問にお答えいたします。
 まず初めに、区が公共交通を整備する意義についてのお尋ねですが、南北バスの基本的な考え方としまして、南北交通の充実、交通不便地域の解消、高齢者や主婦などの昼間の移動支援、既存路線バスとの連携・補完があります。また、南北バスの運行により、交通安全性や防犯性の向上、そして地域の活性化などが図られるものと考え、現在、区の公共交通としてすぎ丸バスを運行しております。
 次に、今後の南北バスのあり方に関する調査研究についてのお尋ねですが、一年前倒しにしました理由は、多くの区民から、陳情・請願を含め、コミュニティバスの運行要望が出されている現状を考え、判断したものです。
 また、今後新たなコミュニティバスのあり方を検討する上で、区民ニーズを的確に把握することは大変重要であると認識しておりますので、アンケート調査やグループインタビュー調査などの手法を用いて、きめ細かく行ってまいります。
 次に、交通不便地域に関するお尋ねですが、これまで区では、鉄道駅から五百メートル以上、バス停から三百メートル以上離れている地域を交通不便地域と考えてきました。すぎ丸バスの運行により、これら不便地域が大分解消されてきました。今後は、これらも含めて考え方を検証し、整理していきたいと思います。
 次に、すぎ丸バスの収益と利用客の推移に関するお尋ねですが、まず、けやき路線の収益でございますが、平成十五年度から区からの補助金の支出はなく、順調に収益を上げ続け、平成十八年度は百二十万円の収益を上げていましたが、平成十九年度は、車両修繕費や燃料費の支出増、そして乗車人数の減少があり、百万円ほどの補助金を支出いたしました。年間の利用客は、過去五年間六十五万人前後で推移しております。
 さくら路線は毎年、収益、利用客とも増加しております。平成十九年度は五百四十万円の補助金支出、乗客数は年間十七万七千人です。
 最後に、新路線の収益見込みでございますが、年間六百万円ほどの補助金支出を試算し、乗客数は年間三十万人程度と見込んでおります。
 次に、現行の南北バス運行体制の維持に関するお尋ねですが、ご指摘のとおり、燃料費の高騰は昨年度から影響が出ておりますが、今後、バス事業者や沿線住民の協力を得て、利用客増に向けて努力し、そして引き続き広告収入を増やす工夫をしてまいります。
 また、すぎ丸バスは、利用客が皆で支え合う考え方のもと、百円、ワンコインの料金は大人も子どもも同一料金としております。したがいまして、現時点では、運賃の値上げや運行本数を減らすことは考えておりません。
 次に、新たな路線計画を立てるに当たっての指針に関するお尋ねですが、区民ニーズが最も重要ではありますが、交通不便地域の改善度、民間バス路線との競合、運行の定時制、そして利用者数と採算性など、多くの視点から総合的に判断していくものと考えております。
 次に、今後の区内交通網の整備に関するお尋ねですが、既存のすぎ丸バスを評価し、また、他の自治体の状況を調査したり、学識経験者からの助言を得たりするなどして、多様な事例や新たな手法も研究し、今後のコミュニティバスのあり方を検討してまいります。
 次に、みどりの保全に関するご質問にお答えします。
 まず、みどりの実態調査についてのお尋ねですが、その目的は、五年ごとに区内のみどりの実態を把握して緑化施策に反映させるとともに、区民の皆様にみどりの状況をお知らせすることでございます。
 今回、緑被率は二一・八%となり、五年前の調査より〇・九三ポイント増加しました。樹木本数は、直径三十センチ以上の樹木が前回より二千九百八十七本増加して、三万六千九十九本となっております。また、樹林は、三百平米以上の樹林が千百四十五カ所、百七十七・五三ヘクタールでございます。
 みどりの増加要因につきましては、この間推進してまいりました公園の新設を初め、校庭の芝生化などの公共のみどりづくり、また、接道部緑化、屋上緑化等の緑化助成制度や、建築行為等の際の緑化指導などを通して、区民の皆様方にご協力とご努力をいただいてきたことによるものと考えております。
 次に、貴重な樹木や保護指定制度についてのお尋ねですが、十年前と比較すると、個人の所有する屋敷林は規模が小さくなり、全体の面積は減少しました。杉並の面影を残す昔からの個人が所有している樹木も相続等で失われてきております。
 区はこれまで、昔からあった屋敷林や大きな木を保全するために、所有者の協力を得て、樹林を保護樹林、樹木を保護樹木あるいは貴重木に指定する保護指定制度をつくり、みどりの保全に努めてまいりました。特に貴重木は、保護樹林の中で幹の直径が九十センチ以上、同一の種類の中でも特に大きなもの、区内で生育していることが珍しい樹木を、所有者と区が協定を結び指定しております。管理費の一部補助や樹木医の派遣、定期的な訪問調査などを行うなどして、貴重木が健全に生育するような手だてを講じてきております。
 保護指定制度の課題は、個人が所有する場合には、高齢化や相続により土地の売却や有効活用が図られ、やむなく樹木が処分されてしまうことです。また、所有者に近隣から剪定や落ち葉の清掃などの要望や苦情が寄せられることがあり、そのため、解除を申請してくることがございます。
 最後になりますが、西荻北のケヤキについてのお尋ねですが、このケヤキは敷地の中ほどに位置し、葉張りが約三十メートルで、高さは約十九メートルあり、美しく豊かな自然樹形を保っております。小高い場所にあるため、広い範囲からその存在を確認でき、西荻北のランドマークとなっています。また、区内で一番大きな株立ちの樹木で、根回りが五メートル以上あることから、杉並区の貴重な財産であると評価し、貴重木指定の創設年度である平成十二年度にいち早く指定しております。
 多くの区民からの要望を受けとめ、区といたしましても、ケヤキの保存について最大限の努力をしてまいる所存です。現在の所有者も、可能な限り樹木を生かした形での建物を計画していく考えであると伺っております。ただ、現在の美しい樹形そのままの形では建築が困難であろうと推測されます。もとより、所有者は当該地を事業用地として正当に取得したものであり、所有者の意向を配慮することが必要であり、代替用地との交換なども検討してまいります。それも困難な場合には、土地の取得も視野に入れ、所有者と話し合いをしていきたいと考えております。
 私からは以上でございます。

○議長(青木さちえ議員) 都市整備部長。
     〔都市整備部長(上原和義)登壇〕

◎都市整備部長(上原和義) 私からは、商業地域内におけるマンション建設についてのご質問のうち、所管に係るご質問にお答えいたします。
 初めに、低層階商業業務誘導地区の実績に関してのお尋ねですが、この間、対象となった建築物は新築の四件で、それぞれ条例の規定どおりの用途となっており、罰則の対象となったケースはございません。
 また、問い合わせの内容でございますが、地区内であっても、駅から離れた商店街の通りでない場所では、入居するテナントがなかなか決まらない等の相談がございました。
 次に、荻窪駅以外の駅前にある商業地域への低層階商業業務誘導地区などの指定についてのお尋ねでございますが、地区計画や条例により規制の対象とするに当たりましては、その地域が商業業務系の集積の度合いを高めていくべき地域であること、道路や鉄道などにより囲まれた街区であること、そして規制の内容について地域において十分な合意形成が行われることなどが必要であると考えております。
 そこで、一般的には、まず地元の発意によりまちづくりルールを活用するなどして、区民や事業者との協働でまちづくりの方向性を定めることが重要であると考えております。
 また、地元まちづくり組織が結成される際には、区として積極的な支援を行ってまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

○議長(青木さちえ議員) まちづくり担当部長。
     〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕

◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 最後に、私からは、阿佐ケ谷駅南口で進められているマンション建設についてのご質問にお答えします。
 区では、当該建設地が阿佐谷地区のまちづくりに極めて重要な位置を示すことから、事業者の意向を確認した平成十九年七月以降、区からも事業者を訪れるなどして、幾度となく事業者と折衝を重ねてまいりました。その中で、まちの景観や、さらには地域の要望である商店街のにぎわいの連続性などについて十分に配慮するよう強く要望してまいりました。結果として商業施設が入らなかったことについては、残念に思っております。
 今後は、新たにマンションにお住まいになる方々が町会への加入や地域の催しなど、地域や商店街の発展について十分理解し、入居いただけるよう、事業者に要望してまいりたいと考えております。
 私からは以上でございます。

○議長(青木さちえ議員) 十八番藤本なおや議員。
     〔十八番(藤本なおや議員)登壇〕

◆十八番(藤本なおや議員) すみません、質問通告をしておりませんでしたが、再質問をちょっとさせていただきます。
 コミュニティタクシーの件で一点だけお伺いをさせていただきます。
 私の前段の質問では、区内交通網のさらなる整備に、コミュニティバスという手段ではなくて、コミュニティタクシーの導入も含めて前向きな検討をしてくださいよと、こういった質問をさせていただいたところでありますけれども、このコミュニティタクシーの評価というものをどういうふうにとらえているのか、その辺を改めてお伺いさせていただきたいと思っております。
 それとあと、もう一点としては、今後の調査研究の進め方についてなんですけれども、今後のあり方のスケジュールというものはどういう形で進んでいくのか。アンケートをとっていくということもおっしゃっておられましたけれども、具体的にスケジュールが固まっておるようであれば、その辺も含めてお示しをいただきたい、このように思います。
 以上でございます。

○議長(青木さちえ議員) 土木担当部長。
     〔土木担当部長(小町 登)登壇〕

◎土木担当部長(小町登) コミュニティタクシーのご質問ですけれども、委員ご指摘のように、小平のほうで初めて実施しましたので、私も今後現場のほうへ見に行ったり、そういうものを見ながら評価をして、今回のコミュニティバスをこれからあり方を考える中で、そういうものもどういうものがいいか、中でいろいろ検討をしていきたいなというふうに考えております。いろいろな方法があると思いますので、その中でいろいろ検討していきたいなと考えます。
 今後のスケジュールでございますけれども、ことしは南北バスが新路線もできますので、それらの評価をしながら、他の自治体のいろいろな、多様な手法がございますので、それらを含めてことしは課題の整理をして、来年度以降本格的な取りまとめをして、二、三年でまとめていきたいなというのが実施計画上のスケジュールでございます。
 私からは以上でございます。